第3章 弟を立派な忍に育て上げるぞ!まずは腕立て伏せから!
「ごめんごめん、俺だよ俺」
足元から服装まで見て、声で判断する、シスイだ。彼はイタチ経由で時たま顔を合わせることがある、私は彼が苦手で、かなり誠実で真っ直ぐな性格なため突き放すこっちもかなり心が痛むのだ。こっちは心を痛めて突き放してるのに向こうはお構いなしでまた話しかけてくる、正直折れそうになるが、シスイ相手ならいっそ折れたほうがいいのだろうか?
「えっと、何か?」
「あー、イタチの弟を見なかったか?まだ帰ってきてないみたいなんだ」
サスケと私は最近別行動だ、私がよく女子グループに誘われるのもあるし、彼の自主連は夜遅くまで続くから付き合いきれないというのもある、今日はアカデミーがあったから長めの自主連ではないだろうか、たまに我を忘れてかなり遅くまでやってしまうみたいだし
……まぁ、うちはがこんな空気なのに遅くまで帰ってこなかったら心配もするだろうか、同年代で一族の不穏な空気を感じ取ってるのはおそらく私ぐらいなものだろう、弟もサスケも能天気だ、それが癒しだと言えばそうなんだけど
「見てない」
それだけ言ってさっさと家まで直行する
「ちょちょちょ!まってまって!」
突然声を上げたかと思うと、彼が私の前に立ちはだかった
「そういえばイタチがちゃんのこと探してたなぁ、連れてってあげよう」
えっ、と思わず声が出る。イタチが私を?なんでまた?いや、もしかしたら私が不穏な空気を感じ取ってることを感じ取ってるのかもしれない?迂闊だ、焦りを見せないよう細心の注意を払っていたがイタチはそれすらも見抜くというのか、チートにも程がある
お前から殺しておく、というのは万に一つもないだろう、おそらく私のことは脅威にすら見えてないだろうし…とすると…
いや、やっぱり殺されるかも、忍術の方で脅威に見えなくとも情報という必殺技を私は隠し持っている、おそらくこの情報をばらまけばうちはの怒りに乗じてクーデターが始まってしまうかも……いや、まてよ……イタチは本当に私がそこまで看破してると考えるだろうか?最重要機密事項だ、いくら私がイタチに怯えてもそこを結びつけるか?普通
……イタチだからな~~!!見破ると思う私は!
「いえ、あの、荷物があるので…」
「よし、じゃぁ持とう」
ええ~~~~~………