第3章 弟を立派な忍に育て上げるぞ!まずは腕立て伏せから!
ここ最近、どうも親の様子がおかしい、というのも、うちはの集会とやらに頻繁に顔を出すようになったのだ。前までも集会に顔を出すことはあったが、任務があればそちらを優先したし、ちょっとした飲み会で欠席することもあった、だが最近は集会の日には遠征を入れないようにしているし、飲み会にもでなくなり、家にいる時間が増えたのだ。そして確信的なことが、事あるごとにうちはの歴史やうちはがいかに有能であるかを私たちに解くようになったこと
これはもう確実に黒だ、クーデターの予兆でしかない
それに大人の雰囲気も若干ピリピリしてる、一番変わったのはもちろんイタチで以前より雰囲気がストイックになった、わかりやすい言い方があるならストレスによるほうれい線が色濃くなったとかだろうか?
とにかく、クーデターが起きるのはもはや時間の問題だ、私は一刻も早く弟を連れて里の外に逃げなければならない
だけど、私は顔を上げ木の上を睨みつける。黒い影が蠢いた
そう、ここ最近うちは区画の周りを暗部が監視してるのだ、これは完全に誤算だった。いや、少し考えればわかる話でいくら真相を知ってるのは上層部の一部だけだとしてもクーデターの予兆に関しては上層部の多くが感じていたはず、イタチとクーデターを一緒の事柄に考えてしまった私の落ち度だ
スーパー帰りの買い物袋がガサガサと音を立てる。まだ余裕があると先延ばしにしてたのがまずかった、最低限の下準備が出来たと感じた瞬間に行動に移すべきだったのだ
後悔先に立たずだな、思わずため息をついた
イタチの任務に暗部が横槍を入れないようにおそらく任務当日は監視が外れるはず。暗部の目があるうちに逃げれば永遠に追いかけられるがイタチの任務の当日に逃げれば被害者として数えられる。逃げるならもうそこしかない
ところで某お面も当日いるわけだけど、これ暗部とどっちがマシなんかな?知らずのうちに乾いた笑いが出る、なんだこのハードモード、自分ひとり生き延びるのも無理だと感じてしまう程度ではあるのに
うちはの門が見える
それでも、私は弟を守り抜かなきゃならない、既に弟は気配を消すことや身を隠すことに関してはかなりの実力を持っている、子供だと侮られているうちはどこまでも逃げることが出来るだろう
「あ、ちゃん」
門をくぐったところで声がかかる、考えに耽っていた私は少し戦いた