第3章 弟を立派な忍に育て上げるぞ!まずは腕立て伏せから!
「なに」
「いや~、別に?」
ニヤニヤとして居心地が悪い、目をそらしてサスケのあとを付いていく
「そういえば、最近イタチ兄さん見ないけど」
話題を変えると、サスケはちょっと視線を逸らしてため息をつく
「上忍になってからは全然家に帰ってこないんだ、兄さん」
私たちは今年で7歳、イタチは12だ、刻一刻と迫る地獄の時にどう対処するかは未だに答えが出てない
最近はイタチも写輪眼を使って相手にしてくれるようにはなったものの、彼の実力にはやっぱり及びも付かないわけで、本気になれば私なんて瞬殺だろう
「そっか、さみしいね~」
にやっとしながら聞くが、サスケは頬をぷっと膨らませたあと、うん、と力なく頷いた
ひゃ~素直、純粋か~~
アカデミーで友達がたくさんできるかとも思ったが、サスケは私以外の生徒に特に興味を示さないためあまり状況は芳しくない。女子グループに入っておしゃべりしたりサスケとお昼を食べたりした、あとは推しのショタ姿を眺めたりとか?授業はに関しては、算数国語あたりは成績優秀だが理科社会はかなり苦戦している
実技はクナイ投げだ、イタチと修行してたサスケやそれにたまに付き合ってた私なんかは割と優秀な部類で、うちは一族はすごいななんて先生に言われたサスケはそりゃもううきうきだ。兄さんに自慢するんだ!と息巻いたサスケと家の前で別れて家に上がる
「おかえり!」
弟の薫はそれはまあかわいい、今は父と母が二人揃って長期任務なためひとりでさみしい思いをしてたはずだ
「寂しくなかった?」
「ん!俺、洗濯物したんだよ!」
ほめて!と後ろをついてくる弟を慈しみながら洗濯機に近づく、うん、えっと
泡を吹いてる、洗濯機が
「ちょっと変な感じになっちゃったけど…」
申し訳なさそうな弟の顔を見るとついそれも許してしまう
「いいよ、よく一人で頑張ったね、薫」
えらいえらいと頭を撫でる、薫は嬉しそうに目を細めた
「さ、御飯を一緒に買いに行こうか、何が食べたい?」
「んー、ハンバーグ!」
いいよ、と返して財布と買い物袋を準備する、薫の靴を履かせて手をつないで家を出ると、軒先にイタチがいた