第18章 終幕
すべてを、やり直す
あの日の夜を?今までの苦労を?
私は思わずその場から下がった
「無理、無理よ、もうやり直すなんて、私には」
「だが、生まれたときとは同じとはいかぬ」
同じじゃない?どういうことだ
「時間の巻き戻しは因果を惹きつける、概念からは解放されても、おそらく因果からは逃れられなくなる」
「その、因果っていうのは一体…?」
おじいちゃんは息をつく
「因果とは力、おそらくお主は我ら六道とは違った類の神となる」
………はい?
えっすごい…え?話ぶっ飛びすぎじゃない?
「お主、一度数十年と時を繰り返した時期があるじゃろう?その時の因果が既に我ら大筒木と同等のものだ、これを越えればおそらくお主は…」
「えっと、たんまたんま!私があのカグヤと同等!?じゃぁなんで死にかけてるんです!?」
「話は最後まで聞け」
う、と息をつまらせ、確かに急ぎすぎたなと頷く
「因果が作用するのはその魂が浄土に到達したときとお主が母に宿る時の因果で決まる」
ん?と首をひねる
「つまり、次にやり直すときは我らと同等、そしてお主が死にたえ、その魂が浄土に到達した瞬間、お主は………神となるのだ」
「話大きすぎません?」
「それだけイレギュラーっちゅーことじゃ」
ずびし、と指を指され、はぁ、と不明瞭な返事をして私は頭を掻く
ん?ということは
「いわゆる、強くてニューゲームってやつですか?」
「うむ、お主の言葉で言うならそうなる」
ぞわ、と背中が泡立つ、なら、もしかしたら、わたしは
弟を救える?
「次お主が死んだときに時を巻き戻そう、手を貸せ」
ごくりと唾を飲み込む、は、はい、と返事をして、その手をとった