第2章 子供が愛想ないからって二人目を作るな
「こ、こう?」
「踏み込みが甘いな」
それから、私はサスケとイタチの修行に混じって体術をちょっとづつ訓練していくようになった
イタチから逃げるためにイタチに体術を教わるのは皮肉な話だが、ここは我慢の時だろう
「兄さん、こっちも見てよ」
サスケの声に呼ばれてイタチが私のそばを離れる、私は丸太に一人蹴りとか正拳突きとか入れてみるがどうも難しい
壁登りはひとり家で練習してなんとか弟を抱えながらでもできるようになった、水上歩行は怖くて出来てない。時々イタチと組手まがいのこともさせてもらう、もちろんサスケには内緒だが
写輪眼を早いうちから開眼したこともあり、イタチとしては早いところ使い方を覚えて欲しいのだろう、私の戦法はわかりやすく逃げの一手だった、イタチもそれを咎めることなく受身の取り方や最小限の身の振り方で避ける方法などを教えてくれる
相手の目の動きや筋肉の些細な前運動で動きを予測する練習は、自分で編み出してやったがまだイタチには披露していない、奥の手のひとつやふたつとっておかないと、敵はイタチなんだ
疲れきったサスケを家に送ってから私の個別指導だ
写輪眼を開くと、世界がスローに見えるというか、早すぎて目が追いつかなかった拳なんかがよく見えるようになる。それに体が反応するかは別だけど
「引きが足りないぞ、集中しろ」
目の前に迫る腕を避けて数歩下がる、イタチは余裕綽々って感じだ。肩で息をしてる私が惨めっぽい、いや、実際に実力は雲泥の差って感じなんだろうけど
それからまたしばらく練習をするが、結局私が力尽き組み伏せられた
「…、その目はどこで開いたんだ?」
息が荒く、地面に寝転んだ私を組み伏せた体制のままイタチが顔を覗き込む、視線を逸らして私は息を整えるために深呼吸をした
「昔溺れた時」
すると彼は何か思案するように視線を巡らせる
「そんなことでか?」