第17章 無限月読
「!」
後ろから抱きつかれて私は飛び起きる
「あれ?寝てた?」
「あー、まぁ、寝てた」
「なんか夢見た?」
栗色に染めた髪、無邪気に笑う顔、私の親友だ
「なんか、見てた気がするけど忘れた、っていうかどしたん」
あたりを見ると既に放課後だ、あれ?私高校生だっけ
「駅前のカフェ!今日って言ったじゃん!」
そうだっけ?と言ってカバンを持ち上げる
学校を出ると、私は流石に疑問を抱かざるを得なかった
「ねえ、この街ってこんなんだったっけ」
私が住んでるのは都心地、こんな木造が目立つのはおかしい、でも、木造の家には既視感があった
「何言ってんの?早く行こ」
歩いてる途中にも、NARUTOで見たような額あてをしてる人がいる、コスプレ大会?
「ねぇ、なんかNARUTOのコスプレ多くない?近くでイベントやってんの?」
「何言ってんの?……て、あ~!先輩!」
先輩?と思って正面を見る、男の人が立っていた
「え、あれ、オビトじゃん」
「流石に先輩を呼び捨てはまずいよ」
先輩!?と私は声を荒らげかける、違う、先輩なんかじゃない、だってあれはアニメのキャラクター……………?
なんだ?何かを忘れてる、私はこんな世界知らない
「達か、どうした?」
「今からカフェに行くんです!先輩もどう?」
オビトは何かを考えるように顎に手を当てた
だって冷静に考えて彼は和装だし、こっちは制服だ、先輩なんていびつすぎる
「このあと用事があってな」
「残念」
私達は彼と別れて歩き出した、カフェの内装も異様だ
なんだか、上手く口に言い表せないけど、ミスマッチで気持ち悪い
私の家はもっといびつだった、半分木造で半分コンクリの家だ、もはやなんなんだ
「た、た、ただいま…」
恐る恐る入る、ねーちゃんおかえり!と弟が来た
こんないの一番走って私を出迎えるような弟いないぞ、と思いつつ目を向ける、あまりの驚きにカバンを落とした