第17章 無限月読
私は、家族には会えないんだとナルトを見て感じた
おとぎ話の中に自分が紛れ込んだと思っていた、弟を失い月の眼計画という目標に向かってナルト達の敵になる自分
計画の成功のために生まれた時から修行をして、考えて、人生を計画的に進め、誰とも仲良くせず物語を眺める、全てを知っている自分が、すべてを操る
それこそおとぎ話だ、まるでこの世界こそ月詠で、私は月の眼計画を望まなくとも、既に世界に入り込んでいた
「帰りたかった、家族に会いたい、友達に会いたい、あの街に戻りたい」
ぼろ、と涙が出てくる
「うちに……帰りたい」
袖で涙を拭う、どうして私だけが、ずっと考えていた、どうして私がこんな目にあう?
どうして私がうちはに生まれる?どうしてすべてを知っているのにこの世界に生まれる?前世の私は?家族は?どうして?なんで?
「何も知らずに、あの日あなたにただ殺されていたかった、ただの子供でいたかった、何も知らない、ただの、ただの」
ただの、でありたかった
「……すまなかった」
オビトが私の肩に手を置く、彼は目を閉じて首を横に振る
「俺はナルトに託した」
「どこまでも勝手な人」
ナルトが起き上がり、彼は私と話す暇もなく行ってしまった
「……、俺の目を」
サクラを飛ばして私達は二人きりになった
「、わかるだろう、いやわかってくれ」
目を閉じる、彼は気づいているのだろうな、私にかけた術が既に解けていることに
彼の目を抉り取る、手の中にある輪廻眼を見て、これが戦況を左右するものか、となんとなく思った
「何をしている、早くそれを…、!」
瞬間、時空が歪んでマダラが現れた
「どうやら持っているのは、そっちか!」
私は万華鏡写輪眼を展開してマダラの動きを止める、完全ではないが、チャクラ切れ寸前の影まね程度にはしばれた
「ほう、なかなかいい瞳術を持っている、お前がオビトの子飼いか?……いや、瞳術だけではない、こいつは…」
「あなたがマダラね」