第16章 いよいよ開戦!里抜けしたのにまた会うのか…
「巻き戻った?」
「えぇ、まるで悪い夢でも見てるようにね、次に時間が巻き戻ったのは、言わずもがなあの日の夜」
腕を組んで思い出す、私の忍者生活の9割をあそこで過ごした
「最初、なすすべなく殺されたわ、それで時間が巻き戻って、私は何が起こるのか悟った」
「それで自分の弟を」
えぇ、と頷く
「サスケと違って私は死ぬべき人間、何度もあの日の夜を巻き戻して、弟を活かそうとした」
弟が死んだとわかれば自害もしたわ、その言葉にトビは目を細める
「自分が殺した、とはそういうことか…つまりお前にとってのあの命乞いは」
「そう、やっと諦められたの、いや、こんなことしてる時点で諦めちゃいないけど」
はは、と弱く笑ってチョコを取り出す
「ただ、私は現状自分の死に方がわからない……仲間に言われたわ、死ぬなら一人で死にやがれってね」
ちらりとトビを見る、何か考えるように外道魔像を眺めていた
「次はあなたの番よ」
言えば、フンと息をついてトビは口を開く
「どれほどの時間をあそこで彷徨った」
「話さないの?まぁ、ざっと数十年はいたと思うわ」
「………そうか、お前の才能の正体がソレというわけだな……通りで攻撃面が伸びないはずだ」
俺は、トビがこちらを見る
「俺は何度お前を殺した?」
…………
「気になる?聞かないほうが身の為だよ。さ、私の話は終わり。トビの話を聞かせて」
今さっきも殺されたばっかだよ、とか言うほど私も空気が読めないわけじゃない