第16章 いよいよ開戦!里抜けしたのにまた会うのか…
外道魔像を見て心なしか震えているようだ
「それにしても急ぎすぎじゃない?」
九尾チャクラの一部が封じ込まれた宝具を見て私はトビに視線を移す
「保険は多いほうがいい、だろう?」
「………ねぇ、あなたはどんな世界を望んでいるの?」
知ってたけど、聞いておきたい気がした、彼は正面を見たまま声を絞り出す
「それを聞きたいなら、お前の隠し事をすべて話してもらわねばならない」
目を閉じる
「俺に何を隠している」
私ははは、と笑ってトビを見た
「信じてくれるの?私でも最初は自分が幻術にでもかかってるんじゃないかって思ったぐらい夢みたいな話だけど」
「いいだろう」
そろりと視線を下げる、息をつく、まぁ、私の肩の荷も全て降りるか
「私には二つ秘密があるわ、私が幼いながらにして幼稚じゃなかったのはね、前世の記憶があるからよ」
前世?と聞き返して、眉唾だな、と言った
「だからただの子供のように全てを受諾するだけではいられなかった、もう一つの秘密は……死ねないことかしら」
視線だけをこちらによこす、何か言いたげだな
「最初に気づいたのは歩けるようになってすぐ、川で溺れ死んだ時ね、写輪眼が開いたのもその時よ」
あの日は本当に驚いた
「まさか生まれ変わってすぐ死ぬとはね、だけど私は死ななかった、時間が巻き戻ったのよ」