第15章 戦争前のピリピリした空気って苦手だよね、ね!?
サスケを拾ってトビのところへ出る、ビリビリとした殺気が漂う最悪の空間に出てしまった、我愛羅もいるし
というかおしるこのカップを持ったままじゃカッコがつかんな
カップだけをとりあえず家に飛ばして私は前方を見据える
「俺の名はうちはマダラ、お前たちにある説明をする。それを理解してもらった上で聞きたいことがある」
なんだ、雷影がこちらを見据えた
「俺の目的、月の眼計画についてだ」
私は目を伏せる、ついにこの時が来るのか、ああ、拝啓漫画の前の私、せめてうちはに生まれないよう、祈っていてください
殺気を感じて目を開ける、雷影が迫っていた、あぶあぶ!と思いつつ万華鏡写輪眼を展開して動きを止める
「動きが…」
奥の陣営から声が聞こえた、サスケを持ち直して横に避けて視線を逸らすと、仰々しい音が鳴って壁に穴があいた
「血の気が多いなぁ……」
「しようがあるまい、連れて行け」
私は手元のサスケを移動させてから香凛の真横に飛んだ
「さ、いくよ」
ぽん、と手を当てる、なんとなく、我愛羅の方は見れなかった
「こ、ここは?」
移動した場所で私はふうと腰を下ろす
「サスケを回復してあげて、お菓子食べる?」
ポーチを広げると香凛は露骨に嫌そうな顔をしたあと、でもチャクラもねーしな……と言ってチョコをとった
「しっかしお前、なんであんな奴のそばについてるんだ?」
口悪いなぁと思いつつも色々あってね、と返す
「サスケとは幼馴染だったけど、彼にはイタチが居た、家族を失って空いた穴を私は私を助けた彼で埋めただけだ」
「要は傷の舐め合いってわけだな」
私は思わず吹き出してどうだろうね、と笑った
「彼の中には私じゃない誰かがいる、舐め合いなんかじゃない」
「千住か」
ちらりと香凛を見て、どうだろうね、と返す