第15章 戦争前のピリピリした空気って苦手だよね、ね!?
「へぶしっ!」
「おい……」
トビの冷たい視線が刺さって体感温度がさらに下がる
私はずびびと鼻をすすって暁の衣を握り締めた
「いや、思ったより寒くてさ…」
「はぁ……これから五大国に戦争を仕掛けるんだぞ、わかってるのか?」
私はあーと声を上げてトビを見た
「わかってるよ、大丈夫」
「サスケの潜入はうまくいったよ」
いきなり地面からゼツが出てきてそんなことを言った
「そうか、なら始めろ」
「はーい」
またズズ、と地面に潜り込む、トビは踵を返すとナルトのところに行くぞ、と言った
「来てるの?」
「そのようだ」
私はトビを見る、どうした、と彼は短く聞いた
「九尾を?」
雪が降る、耳鳴りがしそうなほど真っ白な世界に、暁の衣はよく映えた
「いや、今回は違う、興味がわいただけだ」
これは、多分悪い兆候だ
「待機してる、私は彼に興味ないし」
そうか、短く返してそのまま彼は消えた
「……やっぱり、私が動かないと失敗しちゃうのかな」
そうひとりごちて、私は衣を裏返した
フードを深くかぶって鉄の国を散策する、そこそこ活気もあり悪いところではなさそうだ
しっかしオビトはうまいこと五影にサスケをぶつけたもんだ、だけどあそこまで他人に興味ないないしてた奴がサスケとナルトを戦わせたがるとなると
おそらく私に九尾狩りの任は回ってこないだろうな
屋台でおしるこを買って歩きながら飲む
しばらく歩いたところで、トビが目の前に現れた、一通りなくてよかったなおい
「これからサスケを迎えに行く、お前も来い」
「五影のところ?」
「ああ、時間がない、サスケ達と異次元に潜んでいろ」
消えたところで私もあとを追う
……あ、やべ、しるこ……