第2章 子供が愛想ないからって二人目を作るな
「あ、ご、ごめんなさい…」
未だ苦しいのか獣のように息をしている、ここまで取り乱す彼女も珍しい。写輪眼を開くには生命の危機や悲しみを感じる必要がある、彼女は誰とも必要以上に深く接しないし、サスケに何かあったとも今の時代では考えづらい
となると自身がどこかで死にかけたのか?
「戻せるか?」
聞くと、困ったように視線を彷徨わせ、目を閉じて落ち着けるように息を深く吸って、次に目を開けたときは、いつもの色の瞳に戻っていた
「そこでうがいをしてくるといい」
言って水筒を差し出すと、しばらく視線を彷徨わせてから彼女は水筒を受け取って草陰に消えていった
出てくる頃にはすっかり落ち着いたようで、さっきはごめん、と小さく謝ってくれた
「いいさ、それより写輪眼についてだが…」
切り出すと、彼女は特に気にした様子もなく、うん、と返事をする
「誰かに見せたか?」
聞くと彼女は首を振った
「それがどういうものかは?」
少し考えてから、彼女はよくわからないと返した。どうやら戦場、戦闘で開花したものではなさそうだ
「その眼はまだ使わないほうがいい」
それだけ言うとは首を縦に振った