第15章 戦争前のピリピリした空気って苦手だよね、ね!?
そのあとペインがナルトを狩りに言ったって言うもんだから面白半分でゼツと見学しに行った
「うわぁ、こりゃひどいね」
ゼツがこともなげにいう
顔岩の上から悠々自適に眺めているが、まぁどこもかしこもドンパチやってる
「酷いもんだよ」
「悲しい?」
「いや、まったく」
だって私この展開知ってるし
ポーチから飴を取り出して舐める、惨状とは裏腹に、甘い味が広がった
ここのナルト回想は涙をにじませながら読んだ記憶がある、ナルトよかったなぁおまえ認められてんだよぉって
………今の私は彼とは敵だ、笑ってしまう
一読者でしかなかったのに一丁前に世界に入り込んで正義だなんだと主要キャラをかく乱したのだ
ちゃんちゃらおかしくて手を叩いて笑ってしまう
私は空を見上げて遠くを見る、あの日々に戻りたい、早く計画を完成しなければ
そのせいでかぐやが生き返ろうが、そのせいで人類が滅亡しようがどうでもいいのだ、私にとっては、それが全てなのだから
「早くナルトが捕まるといいんだけど」
「そうだね」「デモ、ドコニモ居ナサソウダゾ」
しばらくして、不意にふわりと浮く影が見えた
「わぁ、ここも危険かも」
「確かに」
ゼツが隠れる、私も一旦トビの家に移動して、飴を補給してから元居た場所に戻った
そこには、変わり果てた木ノ葉があった
「……うわ、壮絶」
「派手ニ殺ッタナ」「やりすぎじゃない?」
中心地は更地だ、それを囲うような波紋状に瓦礫が積み上がっていた
その煙の中、中央に、影が見えた
「うーん、こっからじゃよく見えないかも」
「でもあの近くに行くのは僕でもやだよ」「隠レル場所モ無イシナ」
私もやだ、と言ってそろりとゼツを見る
「ペインの本体の方はどうなってんの?」
ゼツが大げさにこちらを見た
「えっ、気づいてたの?長門のこと」
私はあー、と視線を逸らして
「まぁ、本体がいるってのは薄々ね、長門って言うんだ」
あっ!とゼツが声を上げて目をそらした