第15章 戦争前のピリピリした空気って苦手だよね、ね!?
サスケが起きてトビが真実とやらを話しに行った、とんだ大法螺吹きだ、主演男優賞は彼のものに違いない、アカデミーは私たち二人で総嘗めだな
食事を持って部屋の前に立つ、ノックをすると、トビは低く唸るように入れ、といった
「失礼、食事を持ってきたよ」
足でドアを閉める、サスケの視線が私に固定された
「だから言ったでしょ、吠え面かくって」
「……なんでお前がここにいる…」
まぁ、一番信じやすい嘘というのは事実に嘘を織り交ぜて別の解釈を導き出させることだ
「才能があった、だから俺が生かした」
「才能だと?イタチが殺せなかっただけじゃないのか」
サスケの前にお盆を置く、机ないと食べにくくない?
「こいつは幼いながらにしてクーデターの気配を感知し、自分の弟が危険な目にあってもいいように訓練をしていた、並の子供の発想ではない」
私はぴくりとトビを見る、気づいてたんか
「それにあの夜、こいつは万華鏡写輪眼を開眼した、恐ろしいと感じたよ、この俺でもな」
サスケと目が合う、だがなにか思うところがあったらしく、すぐに目をそらした
「あのイタチですらこいつの弟を見つけることはついぞ叶わなかった」
私は目を閉じる、トビの視線を真横に受けた、つまり私の弟はトビに殺されたのだ
「……あんたが殺ったのか」
沈黙が降りる、私は薄く目を開けて目の前のお盆を見た
「弟を殺したのは私よ、自責でもなんでもなく、私はあの日に何が起こるか知ってたんだから」
立ち上がって踵を返す
「手を下したのがト……マダラだったってだけよ、私を試すのはやめて」
「……あぁ、そうだな、お前は俺の忠実な部下だ」
返しに満足をしたのか彼の値踏みするような視線はすぐにそらされた
それから少しサスケと話したあと、彼はサスケを手に入れたと上機嫌に話していた
最近は彼も忙しいらしい、暁の数も減って月の眼計画もいよいよもって大詰めだ