第15章 戦争前のピリピリした空気って苦手だよね、ね!?
家とは別のアジトに飛んで私はサスケの手当てをする
「しかし、お前があれほど芸達者だとは思わなかった」
サスケを手に入れて気分がいいのかトビは手当てをする私を後ろから眺めて笑った
「芸達者だって?」
「散々忠告はしてきたがお前はあいつらに肩入れをしすぎた、心中穏やかじゃないだろう」
私はちらりとオビトを見る
「残念だけど、本当のことよ、私にとってはあなたの計画だけが光なんだから」
薬を染みこませた包帯を巻く、ぴくりとサスケの眉が歪むが起きる気配はなさそうだ
「あなたと同じで、私ももう見れない世界に夢を見てるの、あの日の夜が存在しない世界をね」
もちろんそれだけではないけど、と心の中で呟いてサスケに布団を掛ける
「あなたは私が逆らえず嫌々従ってると思ってるみたいだけど、ただ弟のいる世界を望んでいるだけなの、私にとっての正義よ」
トビがこちらを黙って見つめる
「もちろん、トビの計画が全て本当ならだけど」
「計画に偽りはない」
私は目を細める、どうだか
「彼が起きた時のための食事を作るよ」
彼の横を通り過ぎ、私は台所に向かう
「暁の衣を用意しておけ」
「……」