第14章 ついにスパイバレ!?絶体絶命!
疲れきって肩で息をするナルト達を見下ろす
「ね?ね!僕のスパイやるでしょ!」
「はお前の物じゃねえ!」
トビの言葉にもナルトは言う、彼、私のためにも怒ってくれるんだ、すごいな
「君ちょっとオカシイよね、この子の話ちゃんと聞いてた?」
「トビ」
思わず制するとトビがこちらを向いてなにぃ?と嬉しそうに話しかける、なんなんだよこいつ…
「あれでも仲間だったんだから、あまりいじめないであげて」
眉を下げて言うとトビはえ~!と飛び退いたあと私とナルト達を交互に見て、ちゃんったらやっさし~!と吠えた
気づけばナルトは螺旋丸を作ってこちらに迫る、思ったけどかなりの体力オバケだ、向こうも
「ナルト!やめろ!」
カカシの声が聞こえる、私は軽く避けてナルトの手首を掴むとそのままカカシ達の正面に移動させた
しゅん、と音を立てて螺旋丸が消える、この手合いにもだいぶ慣れてきたようだ、最初はカカシ達に螺旋丸食らわせてたのに
「どうして、なんでが……お前はサスケとは違ぇ!どうして、どうして暁なんかに…!」
まだ言うかこいつ、私はふーとため息をつく、こりゃサスケがまたお前か…とか言う理由もよくわかるわ
「あなたにとってのイルカ先生だったように、君麻呂にとっての大蛇丸だったように、私にとってのソレが彼だったってだけなの」
そんな綺麗な関係じゃないけどね、私はクナイをポッケにしまう
「それに、その言い方すごく気に入らないわ、まるで暁が悪だとでも言いたげじゃない」
悪だろ!そいつは人柱力を殺してまわってるんだぞ!ナルトが吠えた、私は思わず目を細める
「木ノ葉だって他里の忍びを殺すわ、あのねナルト、何も殺すことだけが悪じゃないの。私にとってこれは、紛れもなく正義なのよ」
ポーチからチョコを取り出し、包装を剥く
「平和のための必要犠牲、人柱力たかだか9人で今の世界よりずっといい物になるならそれでもいいじゃない、どうして話を難しくするの」
いる?と声をかけるが、トビは私を静かに眺めていただけだった、値踏みするような視線が刺さる
「てめぇ、それ、本気で言ってんのか」
怒りに声を震わせたナルトがすごい形相で睨みつけてくる、口の中に放り込むと、甘い香りが広がった
「戯言に聞こえたかしら」