第2章 子供が愛想ないからって二人目を作るな
最初にその子供を見たときは、サスケと一緒に遊んでいたから年相応に見えた。まるで問題児だという口ぶりの母さんからは想像もできないほどだ。結論から言えば、サスケがいなければ彼女はくすりとも笑わない、仮面でもかぶったかのように冷ややかにあたりを見るのだ、それが異常だと、子供の俺でも直ぐにわかった
母さんからは仲良くしてやって欲しいと言われ話しかけるも、冷たく返されるかサスケの手前突き放すわけにも行かず渋々相手をするかのどちらかだった
サスケが居る時以外には話しかけないようにしたのも、当然の運びだったように思える
サスケのことが好きなのだろうか、とも考えたが、この歳の子供が色恋だなんてまだ早いはずだ。それに恋というよりは信頼や安堵の色が強いようにも思えた、自分はまだ色恋に明るくはないが…
アカデミーについても彼女自信が興味があるというよりはサスケが行くなら行く、という気質も感じる
接し方については年下扱いをするよりは同年代かそれより上を意識した方がいいだろう
それから彼女を気にかけるようになってからいくつかのことがわかった。おそらくは人と必要以上に仲良くしないようにしているようだ、それは俺はもちろん自分の両親もそのようで、なぜかサスケだけはそうではない
そしてほかの人への愛情、例えば両親に対する信頼や大人に向けるべき尊敬を全てサスケ一人に注ぎ込んでいる
サスケへの絶対的な信頼を、彼女はなぜか確信していた。ほかにわかったことはどうやら彼女は水辺があまり好きではないらしい
一度火遁の修行を見に来たサスケと一緒に池に来たことがあったが、一定の距離から近寄ろうとはしなかった、それはうちはが集う区画に流れる川も例外ではなく彼女はその通りを嫌った。それから分かったことといえばサスケを使ったほうが彼女は言う事を聞くということだ
修行を終えて帰り道、ふと前方からが歩いてるのが見える
彼女が一人で外を歩くのは珍しい、どちらかというとインドア派らしく、サスケが誘わないと一日中家にいることもザラらしい
注視すると、どうも足取りが覚束なく、つつけば倒れそうなほどふらついていた
「?」