第13章 推しと一緒に任務できりゅ~!
私は目を伏せがちに言う、そうか、とヤマト隊長はぼやいた
「イタチ兄さん、私はそう呼んでたんですけどね、あの夜………あの夜……」
私は眉を寄せる、弟の顔が目に浮かぶ
ヤマト隊長の不審がる姿が視界の端に映った
「ごめんなさい、こんなに時間が経ってるのに、私もまだ良く割り切れてないんです、あの日私は弟を見殺しにして彼にみっともなく命乞いをした」
おかしいですよね、と続けてヤマト隊長を見る
「……すみません、忘れてください」
「あぁ、こちらこそすまなかった」
少しかぶりを振って顔を上げる
「私はサスケのようにはなれない、イタチは仇であり命の恩人でもあるんです……だから、私にはあまり悪い人には見えないのかもしれない」
眉を下げて笑ってみる、ヤマト隊長は私をしばらく見つめたあと、そろそろ戻ろうか、と立ち上がった
「僕は君の過去を慰めてやることはできない、悪いね」
「構いませんよ、でもこの話をしたのは隊長が初めてです」
どうして僕に?と続く言葉に私は首をかしげる
どうしてって、推しだからに決まってるじゃんか……無償の信頼だよばっきゃろう
……いや、違う、これは打算的な話だ、あわよくばオビトが聞いていれば、あわよくば裏切ったときに思い出してくれれば
「………ごめんなさい」
謝ることじゃないさ、彼の声はあまり耳には入らなかった