第11章 風影奪還!?最後まで拳で抵抗するで!
「ふんふん、変更はこれだけ?」
やっぱり食料の輸入が増えるな、目の前の我愛羅はああ、と頷いて取り決めた資料を次々と渡す
食料取引以外は今までと変わらないものが大半だ
「ところで、暁という集団は知っているか?」
不意に振られた話題にどきりとする
「……えぇ、最近ちらちらと噂を聞く例の集団でしょ」
そう、最近暁の活動が激化している、そろそろだとトビは言っていた
もちろん月の眼計画についても私は彼の口からもう聞いている、それについても協力はする、と言っておいた
まぁ、彼の中では私は協力せざるを得ないだと思ってるようだけど
「あぁ、木ノ葉は何処まで情報を?」
私はそうだね、と目を細める、特に口外禁止令があるわけでもない
「どうやら尾獣を狙ってるってところかな、あとは班員にイタチにい……うちはイタチと干柿鬼鮫がいるらしいってことは」
S級犯罪者か、我愛羅が短くつぶやく
「我愛羅が強いのは重々承知だけど、風影である以上迎え撃つ形になると思う、気をつけてね」
「もちろんだ」
コンコン、とノックが聞こえて由良が入ってきた、裏切り者だ、いや私にとっては味方か?
「失礼します、風影様、今月の報告書です」
分厚い茶封筒を持っている、隅に収支報告と書かれているから経理関係なのだろう
風影も大変だ
「これは様も、お久しぶりでございます」
私は軽く会釈をする
「お久しぶりです、こないだの任務、その後いかがでしたか」
「はい、お陰様で滞りなく終了することができました」
「それはそれは」
それからいくつか言葉を交わして彼は失礼しますと引っ込んでいった
私の立場上何かと関わらなくちゃいけないのは事実だ、だけど将来的に彼が的だと知ってたとバレるので、やっぱり嫌な感じだ
「由良さんは優秀だなぁ」
「浮かないようだが」
私の表情を察知した我愛羅が声をかける
「……ちょっとね、それじゃぁ私も詳しく確認するから部屋に戻るよ、お仕事頑張って」
「ところで」