第10章 大人の階段のぼる!君はまだ少年さ!
「はー!くったくった!」
ぽんぽんとお腹を叩いてナルトは椅子から降りる
「じゃ!またな!」
またね、と手を振るとナルトは背を向けて帰っていった
今、ここで私が彼を連れ去れば全てが終わるんだな、と思いつつ
月の眼計画、神樹に繋がれた者は夢を見ながら死んでいく
もし計画が成功すれば、この世界の時間は永遠に停滞し続けるのだろうか
それなら、きっと幸せな世界なのかもしれないな
私は前世を未だに望んでる
また元の家族と笑いながら食卓に着くことや、寝る前の時間をテレビの前でだらだら過ごすことを望んでいる
それと同時に、今は亡きうちはの家族とも仲良くすることを望んでいる
ろくに懐きもしなかった自分を戒めて、家族団らんで笑い合うことを望んでいる
私の望む世界に仮に入れたとして、一体それはどういう形をしているのだろう
見てみたいのだ、私は
望んでみたいのだ、世界を
ナルトの背を見送って私も自分の家に変える
サスケの里抜けが、近い