第9章 ビバ中忍試験!初の任務は木ノ葉を潰せ!
「トビ、一尾の座標を、飛ぶよ」
インカムを抑えて言うとすぐに場所が来た、少し間を空けて、飛ぶ
ザ、と音が響いて視界が一変する、すぐ真横に移動する、このルートは増援組と鉢合わせだ、迂回するように大きく半円を描いて私は一尾を追った
しばらく追っていると禍々しいチャクラが渦巻くのが視える
「尾獣?」
『いや、まだ半尾獣化ってところだろう、ここからますます大きくなるぞ』
ぐあああ、と声が聞こえる、我愛羅の声だ、あの声色から察するに相当キテるみたいだな
見ればサスケが千鳥をぶっぱなしてダウンしてるところだ、おそらく二発目か?
ズルズルと我愛羅が歩み寄る、私は彼の前に躍り出た
「…?」
「うわぁ、すごいことになってんね」
我愛羅は私を見て、またうちはか、と吐き捨てた
「!お前の叶う相手じゃない!下がれ!」
写輪眼を展開する
「確かに叶わないかも、しかし砂もまぁかわいい姿になっちゃって」
私は我愛羅の懐に潜り込む、しかし巨大生物相手の訓練はしたことがないからなぁ
「ふん、雑魚め」
「それはどうかな」
足にありったけのチャクラを込めて吹き飛ばす、さしもの我愛羅でも吹っ飛んだ
『おい、チャクラは温存しておけ』
「ごめんって、ほら、私も女の子にしてはできるでしょ」
「……」
ギロリと我愛羅が私を睨む、そして飛びかかり、横から飛んできたナルトに一発ぶちかまされた
「ナルト!」
「!?なんでここに」
よかった、このまま来なかったら正直サスケが後ろにいるしよけられないで死ぬしかない状態だった、なにげに
「先回りってやつ、ところでアレやばいよ」
それから我愛羅はどんどん尾獣化が進んでいった、離れろ、とトビの声が聞こえて、我愛羅の攻撃とともに一時退場
遠く離れて成り行きを見守る
ナルトの声が何十にも重なって聞こえたあと、遠くで巨大なたぬきが見えた
「ほぉ、あれが守鶴ってやつ?」
『そうだ、術者が狸寝入りを使ったら幻術をかけろ』
オーケー、とぼやいて私は影分身を使う、とりあえずの保険だ、二重の意味で
「命を大事に」
「イエッサー」
なんてやり取りをして去っていく私の後姿を見る
それからスグしてがま親分が現れる
「怪獣大戦争みたい」
『言ってる場合か、来るぞ』