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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第7章 古代種の神殿、再会


ヴィンセントは居心地の悪さを感じていた。

ミーティングの間、時折こちらへと向くエアリスの視線が、何と言うか………刺さる。

先程、リオがエアリスと連れ立って現れたとき、ああ、と妙に納得した。
他の仲間たちと過ごした時間はそう変わらない筈なのに、リオとエアリスの間には、何か、他の者が入り込めないような絆が感じられた。

……いや、入り込みたい、という訳では無いが。

チラとリオを盗み見る。
長い銀髪は今朝は一部が美しく編まれ、垂らされた幾つかの房は柔らかく巻いていた。エアリスの手仕事だろう。
リオが髪をエアリスに弄らせるのは、仲間内で日常の風景となっていた。初めはそれ程でも無かったが、リオが機嫌良く任せるため、今や女性のような華やかな髪型になることも珍しくない。
今朝も、ユフィが"お姫様みたい!"と感想を述べた通り、凄まじい美貌が、無防備に周囲の視線を集めていた。

気付かれぬよう、そっと視線を外す。

昨夜、リオを抱いた。
正直なところとしては、流されたという感じは否めない。
目が覚めたとき、腕の中にリオは居らず、のうのうと眠った己に呆れると共に、リオが今どこでどうしているのかと焦燥した。

だが、ヴィンセントの心配を他所に、現れたリオは生気に満ちて、ヴィンセントの姿を認めると艶然とした笑みを向けた。
それでヴィンセントは一先ず安堵したのだ。

しかし、代わりのようなエアリスの視線だった。
非難はしていないが、かと言って認めてもいない。
探るような、問うような。

リオから何か聞いたのだろうか。

後悔しているかというと、正直わからない。
だが、もう一度同じことになれば、自分はまたリオを抱くだろう。
発情状態のリオを放置できないだろうし、他の誰かに任せることもできない。

リオが……もし、また自分を求めるのならば。


そう結論づける頃、ミーティングが終わった。
古代種の神殿の場所がケット・シーによって明らかとなり、パーティはエアリス、クラウド、そしてリオの三名に決まったようだ。
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