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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第4章 ウータイ、盗めない宝石


「……3、かな?」
リオが荒い呼吸と共に首を傾げた。
「ほひ〜! 惜っし〜!」
ピョン、と跳ねたコルネオが手元で何かを操作すると、磔にされた二人の方で悲鳴が上がった。
見ると拘束されたまま、逆さ吊りになっている。
「このスイッチを押すと、このまま下に真っ逆さま……潰れたトマトの出来上がり!」
「………下衆い…」
吐き棄てるように呟いたリオの言葉尻をコルネオが捉える。
「ほっひ〜! ゲスで結構、悪党だからな! ほひ、お前もこっちに来い! 来ないと…」
スイッチを押す真似をするコルネオに、リオがゆっくり立ち上がった。
「わかったよ。あなたの勝ち。何でも言うこときく」
「ほひ…」
リオがするりとジャケットを脱ぐと、甘い匂いが立ち昇った。
「……リオ、」
ヴィンセントが呼ぶのを聞こえない振りをして、コルネオの前に立ち、滑らかな手を伸ばして肥った頬を撫でる。
コルネオは大きく息を吸い込み、腰を揺らした。
「な、なんでも…?」
「うん。お嫁さん、僕じゃだめ?」
「ほひ、だめじゃない!」「だめだ、リオ!」
コルネオとクラウドが同時に叫んだが、リオは意に介さずコルネオの鼻先に自分の鼻先を擦り付けた。
「………!!」
コルネオは唇を震わせながら尖らせ、クラウドは両手で自分の頭を抱え、ヴィンセントは右手の指を握り込んだ。
「あ、ねえダーリン?」
ふと、リオが人差し指でコルネオの唇を押し留める。
「ほ、ほひ?」
構わずリオの指に激しく口付けるコルネオに、リオが逆さ吊りの二人を顎で指す。
「あの子達は、帰してあげてね。今日は僕との記念日だから、誰も殺しちゃだめ。ね?」
リオの言葉に、コルネオはハッとしてリオを片手に抱き寄せ、クラウドとヴィンセントに向き直った。
「ほっひっひっひ! 最後に笑うのは、俺だったな!」
「いや、俺達だ、と」
勝利宣言に水を差す声がして、コルネオがぽかんとした。
「ほひ〜! 何だ、何だ! 何者だ!」
すたすた、とクラウド達の後ろから現れた赤毛の男を見て、コルネオがビクッとする。
「タ、タークス!」
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