第1章 君の香りを追えば
太一「帰んぞ...」
「うぃーす...」
太一とは家が近く、小学校からの仲で友達と言うより幼馴染みみたいな感じだった
いつも家まで送ってもらったりと助かっている
寒い冬の夜、完全防御形態の私を見て太一が"雪だるまみてぇ(笑)"と言うので、手袋せずポケットに突っ込んでいた左手を出し、左側に居るコイツに腹パンをした。
太一「いてーよ(笑)_____お前指どーした」
「は? 指...?__あ....」
準備中にやってしまったパックリ割れをすっかり忘れていた私は"あらら~"と一言...
太一「もしかして、今まで忘れてたとか?」
「そのとーりッス」
太一「お前なぁ...しかも、手ェ、カサカサじゃん」
「タオルって結構水分を持ってかれるんっスよ」
太一「はぁ...?」
太一は呆れたようにため息をついて、"ちょっと付いてこい"と言ってある方向に歩いて行った
「どこ行くのさ」
太一「母さんのおつかい思い出したわ」
「何それ...(笑)」
そういいながら来たのは、色々なお店が立ち並ぶ通りの様なところ。
今日は12月25日...クリスマスとだけあって、家族連れやカップル等、いわゆるリア充さんたちが沢山居る
「...タヒ((ピーーー」
太一「怖いこと言うなよ(笑)___おっ、あった」
そして太一が入って行ったのは"flower"と言うアロマオイルやハンドクリーム、香水などの専門店のお店だった
入った瞬間、店内を包んでいた良い香りが鼻孔を刺激する
「おぉ...」
ちょっとした感動ひたりつつ、お店に並ぶ色とりどりの商品を眺める。
クリスマスなのに店内はガランとしている、そのお陰でゆっくり見て回れる
商品がクリスマス仕様になっていたり、店内も飾りつけが施されている
不思議と嫌な気持ちはせず、香水などを見ていると、あるものが目に留まる....
それは一つの香水だった