第8章 忘れられない
♪は泣き疲れてて眠っていた。運悪く仕事の電話がかかってきて、仕方なく、♪を起こさないように、出て行った。
**が起きると三宅の姿がなかった。帰ったんだ・・・急に寂しさに襲われる。
気を取り直して、明日から頑張ろう、そう思った。
翌日、同僚から”もう大丈夫なの?”と聞かれて、全然元気と笑顔で振るまった。
思いのほか仕事に時間がかかり、外はすっかり真っ暗だった。
暗闇を一人歩く。正面から歩いてきた人に全く気付かなかった。
ぶつかりそうになって、慌てて顔を見ると、岡田だった。
岡田は目に涙を溜めて、まるで仔犬のようだった。
**「岡田さん!!どうしたんですか!?」
岡田「・・・べつに・・・」
それだけ言って立ち去ろうとする岡田を引き止める。
**「どうしたの?なにかあったの??」
岡田「ほっとけよ!関係ないだろ・・・」
ほっとけよ、でもあんな目をしていたら、例え友人でも心配になる。
岡田「うちきて?・・・話聞くから・・・」
岡田は何も言わなかったけど♪に手を引かれながら抵抗する様子もなく、**の家に着いた。
**「どうぞ、コーヒー淹れるね」
岡田「ええの?俺また襲うかもしれへんで」
**「今の岡田さんにはそんな気力ないでしょ。あったかいコーヒー淹れるから座って待ってて。」