第6章 週明け
坂本「ん・・♪・・・」
**「起きた?・・はい、コーヒー」
何事もなかったかのように向けられる笑顔。
**「坂本さん、ごめんなさい・・・私・・」
そこまで言いかけた♪を抱きしめる。
坂本「大丈夫、・・・分かってるから・・・」
俺の腕の中でまた♪が泣き始める。”俺じゃだめか”何度も頭でリピートするけど、口に出せない。
出さなければ、ずっとこうして都合の良い男として♪を抱ける。
坂本「気にすんなよ・・・。」
そう言って笑って見せるけど、♪はまだ泣き止まなくって・・・自分の無力さを思い知る。
**「わたし・・・どうしたら良いか分からない・・・」
どう言葉をかけていいのか分からず、ただ抱きしめる。
坂本「俺、そろそろ帰るよ」
そう言って精一杯笑って見せた。
坂本「またな。元気出せよ・・・っつても無理だろうけど」
呆れた顔で笑って見せるけど、♪は顔を上げない。
坂本「じゃぁ。」
ガチャン
扉の閉まる音だけが部屋中に響いた。