第3章 初めての夜。
坂本「これが、俺の車。乗って。」
**「あ、はい。おじゃまします。」
そう言って後部座席のドアを開けようとしたら、頭をぐいっと掴まれる。
**「!!!」
坂本「こーら。助手席でいいから。(笑)」
**「あ、は、はい。」
やばい、緊張する・・・・・・・。何話していいかわかんないし・・・。
チラッと横を見ると、変装してても見える眼鏡の奥の瞳に心を奪われる。
やばい、私何考えてんだ・・・・。
顔から目をそらして、ハンドルを握る手に目をやると、さっき自分の頬に触れた指先と重なってますます心拍数が上がる。
ダメだ。
仕方なく窓の外へ目をやる。
坂本「・・・で」
**「・・・え?」
坂本「誰なの?♪ちゃんのハートを掴んだのは?(笑)」
**「え!?い・・いや・・・」
坂本「(笑)呼んであげるから、そいつ(笑)」
**の顔がみるみる赤くなっていくのを見て、また坂本はクスっと笑う。
坂本「それとも、俺と二人きりの方がイイ?(笑)」
**「い、いや、そういうんじゃ・・・!!」
坂本「あはは(笑)分かってるよ(笑)ほんっとかわいー(笑)」
その可愛いは、皮肉で言っているのであって、”可愛い”とイコールではないと分かっていても、それでも自分に向けて発せられた言葉だと思うだけで、**の鼓動は早くなっていった。