第2章 4月『沈黙の少年』
「…が今日だけ
バカサイユを1時間貸してくれと言った。
俺達も担任も1時間は出入り禁止だ。」
「……そんな、君が……?
一体、何してるのかしら?」
「…多分あの黒猫の着ぐるみで………
…いや、俺は知らん。」
真壁君はブツブツと呟いてそっぽを向いた。
それを見て、仙道君がケッ、と悪態をつく。
「アイツら今頃バカみてェに
イチャイチャしてんに決まってんダロ!!」
「………いっ、いちゃいちゃっ!?」
あの冷静沈着な君が
お兄さんの草薙君と、イチャイチャ!!?
「………知らんのか、担任。…まぁいい。」
私の反応に真壁君はまたため息をついた。
「清春、終わったら
思い切りやっていいぞ。」
「わぁってるよ!ナギの
ハッピーバースデー用にとんでもねぇ悪戯
仕掛けまくってやるゼ!!シシシッ!」
仙道君は悪魔のように笑って、
バカサイユを見る。
しかし、中の電気はまだ消えていない。
「永田、あとどのくらいだ?」
「………あと20分ほどでございます。」
永田さんが腕時計を見ながら答えた。
「ーよーしよしよし。
尻尾も体もフワフワ!最高だぜ!
しかも可愛いしよ!マジで!!」
「…にゃ……誕生日…おめでとう…」