第6章 8月『和解?』
『、この前合同で作った新曲を
初めてセッションする。
明日、微調整がしたいから
スタジオに来てもらえないか。』
登校日もサボりにサボったある夜、
瞬から突然メールが届いた。
「………この前の新曲………あれか。」
7月の始めに僕と瞬が合同で作った曲だ。
ちなみに瞬が作詞、僕が作曲。
本当は瞬が全部作るつもりだったんだけど、
作詞を聞いた僕が家で適当にメロディを作って
ピアノで弾いて録音して聞かせると、
凄く気に入ったらしく、
そのまま全部作ってくれと言われて
作曲したんだ。
作曲なんてしたことなかったから、
瞬にあれこれ聞きながら、だけど。
「…楽しみだな。新曲。」
あんな人前で歌ったり弾いたりするなんて、
僕には出来ないから
瞬達はすごいなと思う。
尊敬もしてるし、
何より瞬が頑張っているんだ。
応援したい。
瞬に返信のメールで
『行く。』
と打つ。
『分かった。明日の朝10:00に
家に迎えに行く。よろしく。』
すぐにメールが返ってきた。
瞬、早いな、メール打つの。
次の日の朝、家の前で待っていると
バイクが止まる。
瞬だ。
「おはよ。瞬。」
バイクに近づくと、瞬がヘルメットを外す。
「ああ。………乗れ。」
そう言って僕にヘルメットを被せる。
「……わ、瞬のヘルメットは?」
「いらない。お前に怪我させたら
草薙が煩いからな。被っていろ。」
「………分かった。」
やだと言っても引いてくれなさそうだ。
そのまま受け入れて、
瞬につかまりながらバイクに乗り込んだ。
「つかまってろ。」
「うん。」
瞬の背中に手を回すと、
バイクはエンジン音をふかして
また走り出した。