第5章 7月『ピアノとBBQ』
「…………ッ。」
見ていられなくなって声をかけると、
指が止まった。
が俺の方を振り向く。
音がなくなり、室内には沈黙が流れる。
「…………なにしに……きたの………」
がピアノの椅子から降りる。
止まらない涙が床にも落ちた。
「………、なんで泣いて」
「…うるさい!!」
「……………………っ。」
「関わらないでって言ったじゃん!
勝手に人の家に土足でズカズカ
踏み込んでこないで!!」
「…………ごめん。
俺、の事が心配で…」
「心配ってなんだよ…!
僕の事なんか放っておいてよ!!
…………もう、帰って!!」
「…………。」
「帰ってよ!!」
「…………分かった。」
俺は、泣きじゃくるを置いて、
小屋を出た。