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弟バカと兄バカ【VitaminX 原作沿い 】

第5章 7月『ピアノとBBQ』









(真田視点)




「…………駄目だ。全然かからない。」

昨日から何度も電話かけてるのに、
一度も繋がらない。

昨夜留守電にも入れてみたんだけど、
全然効果なし。


「…関わらないでくれって…
…どういう意味だよ。」



昨日、に
言われた言葉が脳裏に浮かぶ。

突然、に拒否された。

今まで、嫌々だったけど突き返したり、
逃げたりはしなかったが、
初めて俺を避けた。


どうしてなんだろう。
なんで俺を突き放すような事言ったんだろう。





遠ければ遠いほど、君の事が知りたくなる。





「……………行くしか、ないか。」



緑のパーカーを羽織る。
行き先は決まっていた。













「……………ふぅ。」


の家の前に来た。
手には成績表と、先日の模試の結果がある。

に見て欲しいのは模試なんだが、
ちゃんと見てくれるだろうか。

…………昨日の感じだと
見てくれなさそうだった。




一応、俺の伝えたい事は
全部メモをしてある。

成績表には書けないから、
付箋でコメントをつけて。
模試にはマーカーで線を引いて
コメントを書いておいた。

これで、も成績を
見てくれるといいんだけど…



いや、その前に受けとってもらえるだろうか。




「……行く前から諦めちゃだめだ。」




自分の頬を叩き、気合を入れる。
もしかしたらすんなり
受け取ってくれるかもしれないじゃないか。

意を決して、インターホンを押す。
ピンポン、と明るいチャイムが鳴った。








が、





「…………ん?」

返事がない。もう1度押すか。









「………………おかしいな。
、いないのか?」

何度押しても返事はない。
居留守………かな。もしかして。

ふと、隣の小屋を見ると、
明かりがついている。

もしかして、あの中にいるから
チャイムに気付かないのかも。


「お、おじゃましまーす………」


一応挨拶をして門をくぐった。





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