第2章 波乱の始まり
「試験どうだった?受かった?怪我してない?」
お母さんは質問ばかりしてくるので私は「家で話すから」と家へ追いやった。
「あ…先生。本当にありがとうございました。ではまた明日学校で…。」
先生に一部始終見られて恥ずかしくなり、言葉が早口になりながら頭を下げた。
「あ、あぁ。遅刻するなよ。」
と言って先生は車に乗って帰って行った。
私は車が見えなくなるまで見送った。
心の中では昔遊んでくれたお兄さんを思い出しながら、家の中へ入って行った。
家の中に入った私は母のいる台所に行き、今日のことを話した。
もちろん、あのセクハラ校長の話はしなかった。
「合格おめでとう!扇子はやると思ったのよ。やっぱりできる子だね。」
と嫌な言葉をかけられ台所から出ようとしたら
「隣の人は誰?あんな小汚ない人と一緒にいる扇子なんて見たくないわ。」
後ろから母に耳元で言われた私はカチンときて、個性を発動して振り返った。
「先生のことをそんな風に言わないで!あの人は雄英高校の先生なの!今日テストで見てくれた先生でもあるんだから!」
私は怒りながら障壁を張ったまま言った。
「はいはい。悪かったから怒らないで?夕飯になったら呼ぶから部屋にいてね」
私はイライラしながら二階の部屋に向かった。