第2章 波乱の始まり
シトラスの匂いがして、目が覚めるとそこはまた見知らぬ天井。
そぉーっと起きると
「目覚めたか?」と聞こえ、声がした方向を見ると
相澤先生がいた。
私は相澤先生の車に乗っていたのだ。
「本当に今日のことは申し訳なかった。保健室に行ったら寝てたようだからそのまま……車まで運んで家まで送ろうと思ったんだ、勝手に俺の車に乗せてしまって悪い………」
「い、…いいえ!私こそ申し訳ないです!車で送って貰えて光栄です!家も学校からちょっと遠くて…あ、…すいません……。変なこと言って……」
「大丈夫だ…。着いたから玄関まで見送る。」
相澤先生は車を降り、玄関先の戸を開けてくれた。
「先生…。何から何までありがとう…ございます。では、また、あし…」
「おかえり!扇子!」
お母さんが私の言葉を遮り、玄関のドアを開けて立っていた。