第9章 笑顔
たった数日だけでも話さなかっただけで軋む喉。
「……」
「どうしたんだよぃ、黙り込んで…。
何か悪いことでもあったのかよぃ。
だったら遠慮せずに言ってくれ」
「…いや、悪いことじゃねーんだ。
奇跡としか言えない…」
「奇跡…?」
「完治してるんだ!
脳や神経、骨にもなんの後遺症も残らず…。
すげーよ!」
「良かった…」
安心してその場に座り込む。
「あ、でもあと1日は絶対安静だからな」
「分かったよぃ。
助かった」
「あぁ!
良かったぁ…。
食欲はあるか?」
「…少しだけ」
「分かった!
じゃあサンジに言ってお粥作って貰って来る!」
船医は足早に医務室をあとにした。
その後、熾天使に今までのことを話した。
「お前…2日も目を覚まさなかったんだよぃ」
「2日も…?」
「あぁ。
悪かったな、俺のせいで」
「なんで?
なんでマルコのせいなの?
病気も、怪我も、マルコが気を病むことなんて何1つないじゃない。
病気も怪我も、全部私の責任よ?
ありがとう、マルコ。
助かったわ」
「…良いってことよぃ」
「マルコ…?
泣いてるの…?」
「バ、バカ!
この俺が泣くかよぃ」
そう言って背を向けた。
「…大丈夫だとは信じていたが、お前が居なくなっちまうかと思ったんだよぃ」
「ごめんなさい…」
「でもまぁ、生きててくれればそれで良いよぃ」
「ありがとう」