第7章 寝酒
「マルコ、ナツキちゃん。
用意出来たからキッチンにおいで?」
「あぁ」
「はい」
何から何まで用意して貰って申し訳ない。
「ほらよ、マルコ」
「あぁ」
「はい、ナツキちゃん」
「ありがとうございます」
私を挟んで座り、右にマルコ、左にサッチさんだ。
私が真ん中で良いのかな。
「どうだ?旨いだろ」
グラスに並々と注がれた琥珀色の液体を一口飲んだマルコ。
「…あぁ…上物だよぃ」
「だよな!
この味が癖になるんだよ」
2人でグラスを煽っている。
一方の私はサッチさんが用意してくれたお酒をチビチビと飲む。
このお酒も美味しい…。
美味しさに思わず口元が綻ぶ。
「旨ェかよぃ?」
「うん!
とっても美味しいの」
「それは良かったな」
「喜んで貰えて良かったよ。
果実酒なら揃えはあるし、俺はもう飲まないから欲しい時に俺のところにおいで?
そうしたらあげるよ」
「ありがとうございます…!」
「1人で行くなよ、危ねェ」
「なんてこと言うのさ!
そんなことしないってば、安心して?ナツキちゃん」
「信じてますから」
と、笑う。
「優しいよ…この子優しいよ…!
マルコには勿体ないくらい良い子だね」
「そこでなんで俺が出て来るんだよぃ」
「だってー、いい歳した大人がこーんな可愛いコ狙ってるんだろ?」
ニヘラ、と顔を赤くして笑う。
「サッチ…お前もう酔っ払ったのかよぃ」