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【ONE PIECE】歳上の人

第20章 奪還作戦


ここに来てから何日目かの朝。


今日も私は尋問を受ける為、檻から連れ出された。


身体を痛めつけられても、心は何も感じない。


日常となりつつある尋問を黙って受ける。


クスリの入った注射器が私の肌に刺さる直前、床が大きく揺れた。


「っ...」


そして、侵入者を報せる警報音が鳴り響く。


侵入者...そんなもの、私に関係ない。


尋問者達もそう思ったのか、構わず尋問を再開する。


クスリが体内に注入され、意識が飛びそうになる。







「ナツキーッ」








飛びかけていた意識が、一気に現実に引き戻された。


「マルコ......」


何日かぶりの発言に、喉が軋んだ。


予想より近くに聞こえた侵入者の声に男達が焦る。


「居たら反応しろよぃ!」


「マルコ...」


助けに来てくれた嬉しさと安堵で、涙が零れる。


真っ暗な闇に、一筋の光が差し込まれた気がした。


そうだ...。


私は海賊。


自由を求める海賊。


誰かの言いなりなんて御免だ。


一刻も早く逃げ出そうと慌てる男達に向け、炎を放った。


部屋の中は燃え上がり、脱出しようと扉に近づいた瞬間。


バキッという音がして、扉は破壊された。


「ナツキ!」


「マル...」


「やっと見つけたよぃ」


強く強く抱きしめられる。

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