第19章 赤と青

ナツキが行方不明になってから、5日。


そう、5日間。


全く手掛かりを見つけられず、クルー達も諦めはじめていた頃。


そんな白ひげ海賊団に来客が訪れた。


｢なぁ、ナツキは元気か？｣


殺伐とした空気の漂う船内には似つかわしくない、飄々とした声。


｢何をしに来た、小僧｣


｢妹の顔を見に、な｣


そう告げるのは赤い髪をした隻腕の海賊。


そう、四皇赤髪のシャンクス。


｢妹？

赤髪、ナツキの兄貴なのかよぃ｣


｢正確に言うと血縁関係はないがな。

ナツキは親代わりだと言うが...。

で、肝心のナツキはどこだ？｣


｢......｣


皆、気まずそうに視線を足元へ落とす。


｢面目ねぇ、ナツキは攫われたよぃ｣


攫われた。


その言葉を聞いたシャンクスは一気に殺気立った。


｢俺が着いていながら、すまねぇ...｣


深く頭を下げるマルコ。


｢...謝罪なら、ナツキに言ってやってくれ。

怖い思いしてるだろうからな。

居場所の目星は？｣


｢それが......｣


｢ねぇのか｣


｢......あぁ｣


悔しくて噛んだ唇からは血が流れた。


｢赤髪...ナツキを探してくれねぇか...。

俺じゃあいつを......見つけてやれねぇ｣


｢諦めるのは早いだろ、マルコ。

ベックに連絡して戻りが遅くなると伝える｣


｢...あぁ｣