第19章 赤と青
「お前もやってくか?」
「あ、いえ、私は...」
「なんだ、ナツキも来てたのか?」
「あ、エース。
エースもやるの?」
「もちろんだ!」
「そっか、頑張ってね」
「おう」
クシャクシャと髪を撫でられる。
「次、エース!」
サッチさんがエースの名を呼ぶ。
「さて、誰とやりたい?」
「やっぱマルコだろ!」
「言うと思ったぜ。
おーい、誰かマルコ呼んで来い。
多分部屋に居っから」
指名制なのか。
「ったく...面倒だよぃ」
ガリガリと頭を掻きながら甲板へ来たマルコ。
バチッと視線が合ったけど、気まずくてすぐに逸らしてしまう。
マルコが何かを言いかけたけど、サッチさんに背中を押されて、その言葉を聞くことはなかった。
エースとマルコの試合を見ることなく部屋に戻った。
モヤモヤした気持ちが胸に広がる。
「どうしよう...」
避けられて辛いのはマルコの筈なのに、本当私最低だ...。
深い溜め息を吐き出す。
「なんとかしなくちゃ」
イゾウ兄に相談しようと部屋へ向かった。
「どうしたんだい?ナツキ。
悩み事かい?」
扉を開けてすぐ聞かれた。
私そんなに分かりやすいのかな。
「うん...」
「俺で良ければ相談に乗るよ。
おいで」
部屋に招き入れてくれた。