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【ONE PIECE】歳上の人

第19章 赤と青


「なぁ、ナツキ...良いか?」


「今日はちょっと...」


ベッドに寝転がった私に覆いかぶさるマルコ。


マルコが何をしたいのか、それが分からない程子供じゃない。


「...そうか、分かったよぃ。

邪魔したな」


上から退き、部屋を出るマルコに何も声を掛けられなかった。


「私のバカ......」


誰も居なくなった部屋のベッドに膝を抱えて座り、溜め息を吐く。


あんな悲しそうな顔、させたい訳じゃないのに。


あの夜を迎えてから、マルコとは1度も交わっていない。


マルコがシたそうな雰囲気を出していても、そういうムードになったとしても。


頑として首を縦に振らなかった。


別にシたくないって訳じゃない。


むしろどちらかと言えばシたい...けど。


それでもやっぱり恥ずかしい。


恥ずかしいから出来ない。


そんな言葉がずっと頭の中をループして、またマルコからの誘いを断ってしまう。


呆れられてないかな...?


こんなお子様。


「やめた、気分転換しよ」


1人で部屋に居てもモヤモヤして落ち込むだけだから、部屋の外に出て気持ちを入れ替えることにした。


甲板に出て、賑やかな家族達を見つめる。


あれは何をしているんだろうか。


「何してるんですか?」


近くに居た人に尋ねた。


「あぁ、あれは稽古だよ。

うちの古くからの習わしだ」


「へぇ...」


家族同士が武器も持たず、能力も使わず、素手でタイマンをしてる。


これが習わし...。
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