第18章 所属
「エースにもあるだろ。
男の大事なソレだよ、キンタマ」
「あぁ、なるほどな!
キンタマ撃たれたら痛ェな」
「お前ら...ナツキの前でそんなこと言うな!」
「うぉ!?あぶね!?」
イゾウ兄が2人目掛けて銃を放つ。
「当たる当たる!
ちょ、まじで当たるってば!」
2人が甲板を逃げ回り、それをイゾウ兄が追いかけ、被害は拡大する。
「あ、そういえば俺自然系だから当たんねーわ」
「狡いぞ、エースッ。
っギャーッ...!」
「止めなくて良いの?」
「あぁ、面倒だよぃ」
溜め息を吐き、お酒の瓶に直接口づけるマルコ。
「ナツキも何か飲むか?」
「うーん...今日は良いかな」
「そうか」
「あれ、飲まねーのか?ナツキちゃん」
「サ、サッチさん」
頬や腕に赤い筋を作ったサッチさんが尋ねる。
「サッチさん、ちょっとしゃがんで...?」
「お?おう」
首を傾げながらも腰を下ろしてくれるサッチさん。
そんなサッチさんの正面に膝をつけて座り、手をかざす。
「待て」
その手をマルコが止める。
「マルコ?どうしたの?」
「そんなかすり傷なんかで能力使うなよぃ。
唾つけときゃ治る」
「でも...少しの傷からでもバイ菌が...」
「そんなヤワな身体じゃねェよぃ」
「マルコー、それ俺のセリフ。
でもま、治そうとしてくれたんだろ?
ありがとな、ナツキちゃん」
くしゃりと優しく髪を撫でられた。