第12章 膨らんだ気持ち

｢付き合ってみて、好きかどうか分かれば良いだろ。

だってナツキは確実に俺のこと好きだねぃ｣


ニヤリ、と笑われる。


｢そんな中途半端な気持ちで付き合わないもん｣


｢ほぉ｣


｢.....私、好きだよ？マルコのこと｣


｢！｣


｢まだ多分としか言えないけど...。

あの時出た言葉は私の本音、嘘偽りのない本音。

...マルコが笑うと私も嬉しいし、マルコが他の女の人と居るとモヤモヤする｣


｢っ、俺も好きだ｣


ガバッと再び強く抱きしめられる。


｢良いのかよぃ、こんなオッサンで｣


｢歳なんて関係ないもの。

マルコじゃなきゃダメなんだから｣


｢大事にするよぃ｣


なんだか少し幸せな気分になる。


胸がほっこりして、暖かい。


｢マルコ｣


｢ん？｣


｢幸せ...｣


｢あぁ、俺もだよぃ｣


凄く嫌なこともあって、まだ辛いけど、でもマルコと居ればそれが少し癒える。


｢マルコ、そろそろお風呂出ない？｣


｢あぁ、そうだねぃ｣


｢服良いの？

濡れちゃったけど...｣


完全に濡れて、肌に張りつく程だ。


｢乾かせば問題ねぇよぃ。

ナツキは先に出ろよぃ。

俺はお前が着替え終わってから出る｣


｢うん、分かった。

肩、ごめんね...。

あとですぐに治してあげるから｣


自分の歯型のついたそこを撫でると、浴室を出た。


浴室に入る前と違って、気分は大分良い。