第7章 summer memory②
「・・・・・・・・・」
ぐいっと、及川さんが私の腕を掴んで、再び押し倒す。
じたばたと暴れる私のシャツを肌蹴させ、胸元にに唇を近づける。
「いや!やめてよっ、本当に・・・っぁ、いたっ!」
左胸に、チクリと鈍い痛みが走る。
「ぁ・・・っん、もう、やめてってば!!」
渾身の力を振り絞り、私は彼の頬を打った。
パシンッと乾いた音が暗い部屋に響き渡る。
及川さんの動作は止まり、私の、荒い息遣いだけが室内で聞こえる。
「なん、で・・・なんでこんな酷いことするの!」
こんな、無理矢理人を襲うなんてこと、するような人じゃない。
私が一番わかってる。
だけどどうして・・・?
「どうしてこんな・・・っ、」
涙を必死にこらえて、及川さんを見る。するとその時、外で、車が通る音が聞こえた。
車のライトが、窓から入り込み、一瞬、私を組み敷いた及川さんの顔を映した。
「っ・・・!!」
なんて・・・なんて哀しい顔してるの・・・。
こんな顔・・・こんな哀しい顔をする及川さん、見たことない。
今にも消え入りそうで・・・
「酷い、か・・・酷いよね、俺・・・」
私は何故か、抵抗する気を無くしてしまった。
心にぽっかりと穴が空いてしまったように、何故彼がそんな顔をしているのか、分からなかった。
「っ!?ぁっ・・・」
下着をずらされ、露わになった胸を掴まれる。先の突起したものを口に含まれると、ピリッとした刺激に肩が震える。
「あっ・・・ん、んぁ・・・っぁ」
口に含まれた突起は、及川さんの舌先で転がされ時折きつく吸われる。
その間に、及川さんの手が、下の方へと伸びていく。
「やっ、ぁ!」
足の間に膝を入れられて閉じることが出来ない。じたばたしている間に、及川さんの手が、下着の中へと入ってきた。
「濡れてる・・・」
「ん、ぁ・・・っ!ぃ、やぁっ」
長い指が、じんじんと熱を帯びたその入口をなぞる。つぷ、と中指の第一関節がその中へと埋まっていく。
「あっ・・・ゃぁ・・・はぁっ、ぁ」
ゆっくりとそのまま指が埋まっていき、浅い所で抜き差しされる。
初め異物感が強かったけれど、次第にそれは甘い刺激へと変わっていった・・・