第7章 summer memory②
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突然降り出した雨は止むことを知らず、
後から後から、降り続く。
気づけば時計は夜の七時を指していた。
(外が暗いわけだ・・・)
リビングのテーブルに伏せった状態で、及川さんの帰りを待っていた私は、時計と外を見て、ため息をついた。
思い出すのは、あの人の自分を見つめる目。
(知らない人みたいに・・・怖い目をしていた・・・)
今まで見たことのない目・・・
そして、聞いたことのない低く絞り出すような声・・・
いつものおちゃらけた様子なんて微塵もなくて、そんな形相で、あの人の所へ何をしに行ったんだろう・・・
考えても、考えても答えは出るはずもなかった・・・
ただ、彼の帰りを待つことしか、今の私にはできなかった・・・ーーー