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おかえり〜I'm home〜(R18)

第6章 summer memory①





ーーー・・・


「結構光も遮断できてて、雰囲気出てるね・・・」


舞台は日本のよう御屋敷のようで、行く先は蝋燭が照らしている。
廊下にはお決まりのマネキン、日本人形や、鎌なんかも置いてあって結構不気味・・・。

大人の私も、若干ビビるくらい。
でも、私の隣を歩く彼は若干ではなかった。

「及川さん・・・、平気?」

一歩進むのもマリオネットのようにぎこちなくて、音のなる仕掛けには面白いくらいにびっくりしている。

お化け屋敷、苦手なんですね・・・
私もお化けは怖いけど、お化け屋敷は作り物だと割り切ってるので平気だった。

誘ったの、可哀想だったなぁ。内心謝りつつ、私は彼の腕に触れた。


「ぎゃあっ!」

「きゃあ!」

いきなり叫び出した及川さんの声に驚いて私も悲鳴をあげた。

「なんだよりおかよ、もうお化けかと思ったじゃんかよっ!」

私の手がお化けかと思ったらしく、及川さんは悲鳴をあげたんだ。心底恐怖に震えた彼を見て、私はおかしくて、立ち止まって笑ってしまった。


「あははははっ!」

「何こんな所で呑気に笑ってんのさ!馬鹿じゃねぇのホント!ほら行くよ、声に釣られてお化け来ちゃうじゃん!」

必死すぎて口調が荒くなってる及川さん。
声に釣られてって何、もう世界入り込みすぎでしょ、おかしすぎ!

笑いが止まんない私の手を握りずんずんと進んでいく。ほんとに一秒でも早く、ここから出たいんだろうなぁ。


「た〜す〜けぇ〜てぇ〜」

「ひぃぃぃ!りお!早くっ!殺されるよ!」

壁から突然出てきた長い髪の毛の女の人を前に及川さんの逃走スピードが加速する。

「殺されないよ〜」

「あぁいうのが一番怖いじゃんテレビ出てくるやつじゃん!」

あ、リ〇グの事言ってるのかな?定番のホラー映画を連想できるくらい、私の恐怖心は無くなって、私の手を引く及川さんに色んな意味で夢中だった。

他にも、河童や火の玉、落ち武者にもビビり倒す及川さんと、それを見て笑う私の奇妙なコンビは何とか出口まで辿り着いた。



「はーいお疲れ様でしたぁ〜」


明るい景色とのんびりとしたスタッフさんの声にホッとする。

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