第6章 summer memory①
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仙台市にオープンした天使のパンケーキ屋さんの前は案の定すごい行列だった。若い女の子同士や、親子やカップルで来ている人たちもいて、特別招待券を持っていた私達はその人達を抜かして貰って予約席のプレートが置かれた席に案内された。
メニューを渡されて二人で1つずつパンケーキを選ぶ。私は一番人気の3種のベリーとチョコソース、そしてアイスクリームがトッピングされたパンケーキで、及川さんは野菜やスクランブルエッグ等が乗っけられたお惣菜タイプのパンケーキだった。
注文し終わって、店内の小物や壁紙を見ながらお店の雰囲気を楽しんでいた私に及川さんが口を開いた。
「今日は何かお洒落じゃん」
私は目の前に座る彼に向き直ると、彼は頬杖をついて私を見ていた。
「へ、そ、そうかな・・・?」
まぁ確かに、出かけるとなれば、そして超食べたかったパンケーキ屋さんに行くとなれば、女たるもの少しのお洒落はする。
薄く化粧もして、この間、ショッピングモールで一目惚れしたネイビーのワンピースと薄手のカーディガンを羽織ったコーディネート。
ショートボブの髪の毛は最近伸びてきて、こないだパーマをかけてきた。あと、カラーもワントーンだけ色を上げて来たから、春先に出会った時とは大分印象が変わったんじゃないかな?
「なぁーに?ちょっとは綺麗になったって事〜?」
いつも女らしくないとか散々言われてたから、挑発的に聞いてみた。すると、及川さんは意外な反応を見せた。
「・・・・・・って言ったら、何なのさ」
「・・・・・・え・・・」
なんでこういう時だけ・・・そう、普段と違う反応を見せるの。
頬杖ついた手で口元を隠して・・・
赤くなった顔を隠すように・・・
"んなわけないじゃん、バーカバーカ!"
いつもみたいに子供っぽく言えばいいのに・・・
「なに、もー冗談言って。それくらい、冗談だって私にもわかるよ〜」
及川さんが言わない代わりに、私から言ってみる。そして、パンケーキのメニューで顔を隠し、こちらこそ赤くなった顔を隠した。
だって、いきなりそんなこと言われても・・・