第6章 summer memory①
だから家での生活は私なりに快適だし、何不自由ないかな?今のところ。
「もうすぐできる?」
「あ、うん。先にポテサラとかつまんでて」
そう言って冷蔵庫からポテトサラダを出した。
「この上に乗ってるの、何?天かす??」
ポテトサラダの上に乗った大量の天かすを珍しそうな目で見ている及川さんにお箸を渡しながら、そう、と頷く。
「学生の時、行きつけの居酒屋があってねそこのポテトサラダも天かすが乗ってて、めちゃくちゃ美味しかったんだ〜。それ最初に全部混ぜてね」
「ふうん。・・・ま、頂きます」
私の言った通り、お箸でポテトサラダと天かすをザクザクと混ぜ合わせる及川さんは、一口口に入れた。
「あ、何これ、美味い」
「サクサクしてて美味しいでしょ?ずーっと食べてられるくらい」
良かった、気に入ってくれたみたい。お箸が止まらない。
軽くお椀一杯にあったポテトサラダはみるみるうちに及川さんに吸収されていってる。あっという間に空になったお椀をコトンと置いて、
「今度これメインで出して」
と言った。出た。これは超気に入っている証拠だ。
「いいけど、ポテトサラダじゃお腹いっぱいにならないよ?」
「お腹いっぱいになるくらいの量がいいっ」
スタイルのいい彼がスーツとか着てたら凄く大人の雰囲気を醸し出すけれど、こう言ったところでは破顔して子供っぽい一面が見れる。このギャップを知ってる女性は、どれくらいいるのかな・・・
「りお?聞いてる?」
「え?あ、うん、聞いてる聞いてるっ」
はっと我に返り、こくこくと頷く私。いけないいけない、最近及川さん絡みで考えてること多いから、気をつけよう。
「そんなに俺がかっこいいからって見とれちゃ生活できないよ?」
「そう言うことをサラッと言えるあんたみたいな心の強い人になりたいデス」
そんなことを言い合いながら、私はハンバーグをフライパンからお皿に移す。うん、よく焼けて美味しそう。
大葉と大根おろしをのせて、及川さんの前に出す。
「さ、やけどしないようにどうぞ」
「わーい!いっただきまーす!」
嬉嬉として本日2回目の頂きますをする及川さんを微笑みながら見ていたーーー・・・