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おかえり〜I'm home〜(R18)

第5章 spring memory⑤





ーーー・・・


決行日前日、私たちは近くのスーパーにて食材を買いに来た。

私がカートを押し、及川さんは私の先を歩き食材を物色している。

「・・・結局、何作るのか決めてるの?」

「え、俺が考えられる訳ないじゃん〜」

愚問だねっ?とでも付け足して言いそうな及川さんを見て、小さく息をつく。

(で、すよねぇ〜・・・)

私はすっとポケットから四つに折ったメモを及川さんに手渡した。

「はい。一応、叔母さんの好きな物とか取り入れて考えてみたんだよね」

私が考えた明日の夜ご飯のメニューが書いてあるメモを見た及川さんの目の色が変わったのがわかる。及川さんって意外とわかりやすい。これは、ちょっと良いって思ってる時の目だ。

「いいじゃん。てゆうか、りおこれまじで作れんの?」

「作れるよ。及川さんには具材切ってもらうのからやってもらうからね?」

「そりゃ、俺が頼んだんだし、やれることはやるよ。あ、あと味見は俺にやらしてよっ」

と、子供のようにきらきらとした目で私を見る。結構家族思いなんだよね、この人。花とか渡したり、絶対叔母さん喜ぶよ。

自分が家族が大好きな分、家族を大切にしている人は好きだ。人間として。だから、この人のこういう一面が知れて嬉しい、なーんて思ってると、及川さんはずんずん先を行っていた。

「ま、待ってよ!」

「ごめんごめん、俺の方が足長いから追いつくの大変だよねー」

けらけらと私をからかう彼。ムカッと来て、及川さんに近づくとそのスニーカーを履いた足を踏んずけた。

「いった!本当可愛くないよな、お前っ」

「いらない事ばっか言うからでしょ〜」

頬を膨らませて痛がる及川さんを見上げる。そんな他愛ない言い合いをしていると・・・


「あれ?及川さんに、北村さん?」


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