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おかえり〜I'm home〜(R18)

第5章 spring memory⑤





《spring memory⑤》


りおside



ーーー・・・


「ふぅ〜お買い物完了〜♪」

日曜日は好きだ。朝ゆっくり起きられるし、音楽かけながら部屋の掃除をして、叔母さんとのんびりお茶しながらお昼のテレビを見て、そして近くのショッピングモールでのんびりと自分の買い物ができる。それで天気もすこぶる良い今日は最高の休日だった。

入社祝いで叔母さんが買ってくれた花柄のワンピースを着て街に出れば、そのワンピースが似合うぴったりの気候で、終始私は上機嫌に買い物が出来た。

(これで恋人がいれば・・・ピクニックとかもできるのになぁ〜)

モールの雑貨屋さんを見ると、ピクニック用品がずらりと並んでいたり、それを眺めるカップルや家族が沢山いて、この歳になると、自分も彼らのように誰かと一緒にそういったことをしたいなと思い始めていた。

まずは、好きな人が欲しいな・・・
恋なんてもう、何年してないだろう・・・

そう思って、ふと、あいつの顔が浮かんでしまう。

一緒に住む私の従兄弟、及川徹。

(いや・・・無い無い)

こないだのバレー部との親睦会で酔っ払った彼と、流れで一緒に寝てしまうことになったけれど、朝起きたら布団はもぬけの殻だった。

リビングで見つけた彼は、またしてもシジミの味噌汁を作っていて、前の日のことなんて忘れてしまったかの様にいつも通り、けろりとしていたのだった。

「りおも飲む?俺の特製味噌汁!」

いや、私は二日酔いじゃないし・・・飲むけど。

本当に覚えてないんだろうなぁ・・・

あの夜・・・あんなに切なそうな顔で、そばにいて欲しい、何て言ってたのに・・・


(・・・5ミリくらい、優しくしてあげようと思った私が馬鹿だった)

所詮はお酒の入った戯れだ。
きっと初めて会った日の夜の事も・・・お酒のせいなんだと思うと、
むかつく、そして少しだけ切ないと思っている自分がいて嫌だった。

そりゃあ、正直言うと、イケメンは好きだ。目の保養になる。
彼の顔も、まぁぶっちゃけるとタイプじゃ無い訳じゃあ、ない。

だから、2度もそういうことになってしまった時に、
どきどきとしてしまったことは事実。

だけど、両方とも酒の席の話。きっと彼は本気じゃないから・・・
自分が傷つかないためにも、私もさらりと流せる女でいたいと思う。

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