第4章 spring memory④
きっと、酔っ払って、人肌恋しくなって、少し甘えたくなっただけ。他意はないんだ・・・
そう言い聞かせて、私は彼と寝ることを決意した。
どきんどきんと、まだ胸がうるさく鳴り響いている私の首に、コツんと及川さんの頭が当たる。
「ありがと・・・」
暫くすると、まるで安心したかのように背後からは寝息が聞こえてきた。
・・・本当に誰かの温もりを感じて眠りたかっただけみたい。まぁいっか。今日は、沢山庇ってくれたし・・・
酔っ払った時の、あんな顔っていうのは・・・よく分からないけど、
きっと目が覚めたら忘れてるだろうし、深く聞かないようにしよう。
背中越しに感じる確かな温もりに、私も安堵してゆっくりと目を閉じたーーー・・・