第33章 Lovers memory②
ぴちゃ・・・と、耳を舐められる。
ビクッと肩が震えて、縮こまるけど、及川さんの舌は執拗に私を攻め立てる。
「ゃ・・・っぁ・・・」
「やじゃないでしょ?本当は俺のこと欲しがってたくせに・・・」
「そんなこと・・・っ」
「ないの?」
くるっと、体を反転されて、及川さんと向かい合う。
近すぎる距離に、逃げたいけれど、顔の両側に肘をつかれて一歩も動けない・・・。
「そんな泣きそうな顔してるくせに。この一週間・・・本当に俺のこと・・・欲しくなかった?」
「ぁ・・・」
もしかして、指一本触れてこなかったのは・・・
私から及川さんを求めて欲しかったからなの・・・?
やっと気づいた・・・気づいた頃にはもう遅くて、
「っ・・・・・・」
「ほら、どうなの・・・?ちゃんと言えたら・・・」
再び耳に寄せられる及川さんの唇。
「俺、お前の望むことしてあげるよ・・・」
「〜〜〜〜っ!」
もう抑えられなかった。
この一週間、ひとつもあなたの温もりに触れられなくて・・・
心が、体が求めてる。及川さんのこと。
「・・・しぃ」
「ん?」
「及川さんが、欲しいっ」
恥ずかしい。でも伝わって欲しくて。
こんなにもあなたに焦がれてるってこと・・・っ
あぁ、もう、なんだか涙が出てくる・・・
及川さんは、ふって優しく笑って私の涙をぺろりと舌で舐めとった。
「・・・よく出来ました」